投力を伸ばす瞬発力の鍛え方

ものを投げる動作は、多くのスポーツで使われています。
例えば、野球、ドッジボール、水球に代表される球技系のスポーツ。
他にも、砲丸投げや槍投げ等の陸上競技。

また、手で投げなくても、
道具を使ってものを投げる競技、例えばラクロスなど、もあります。

では、この投げる力(投力)を鍛えるためにはどうすればよいでしょうか?
また、投力と瞬発力の関係性はどのようなものがあるでしょうか?

スポーツとの関連性も踏まえて考察してみました。

投力向上に欠かせない筋肉

まず、筋肉の観点から投力を高めることについて考察してみます。

ものを投げる行為で一番使われる筋肉はどこか、
投げる動作で代表的な例として、野球の投手の動きから考えてみますと、
主に使われている上半身の筋肉は、広背筋から腕全体となります。

上半身だけの動きとなりますが、投手の動きは
上半身をひねりながら腕をおおきく振りかぶってボールを投げる動作となります。

この動作ですが、腕をおおきく振りかぶるためには、
腕の動きを統率する筋肉をきたえるひつようがあります。

この腕を統率する筋肉が実は腕ではなく広背筋となり、
ここを鍛えることが投力を高めるために重要となります。

実際にプロの投手の体つきを考えてください。
きれいな逆三角形とまでは行かずとも、
大きな背中、そして腕を持っていることがわかります。

また、大きく振りかぶり早く腕を振る動作を簡略化して、
自転車のギアと比較して考察して見ます。
力が強い場合はギアが車輪の中心に近い部分にあり、
ひと回しにも強い力が必要となりますが、そのぶん前に進む力(回転力)も上がります。

逆に、力が弱い場合は、ギアが車輪の中心から外側に近くなり、
ひと回しにはあまり力は必要ありませんが、そのぶん前に進む力(回転力)も下がります。

物理の法則でいうと、トルクと遠心力の関係性となります。

ここで、先ほどの広背筋に話を戻しますが、
この広背筋の力がギアにかかる力と同様となります。
投力を鍛えるためにはこの広背筋を使い、
体をひねり腕を振る力を鍛える必要があります。

柔道の一本背負い投げのように、体を早くひねる動きを鍛えるためには、
ラバーバンドなどを使い、
投げる動作を意識しながら投げる動作に必要な筋肉を鍛えて下さい。

また、早く回す動きもくわえることで、瞬発力が高まり、
結果早く腕を振ることができるようになります。

また、体を早くひねり、腕を早く回せるようになっても、
腕がその早さについていけなかったら元も子もありませんので、
そのために腕全体も鍛える必要があります。

腕の動きは、広背筋とは異なり、しなやかな動きを重要視します。

これは、実際に腕を振るさいに、腕の力を込めて硬くして振るより
そこそこの力をで柔らかい状態で振った方が、より早く振ることができるからです。
理由としては、腕全体に力を入れてしまった場合、
使われるエネルギーが分散されてしまい、回すための回転力が減ってしまうからです。

そのためにも、腕には出来るだけ力を込めずに回すことに集中し、
最後のリリースのときに一気に力を解放させることが必要となります。

前に跳ばすための押し出す力

次に前に投げるために振り切る・押し出す力について考察します。

先程までは、体を回すために広背筋を鍛えるべきだと説明しましたが、
広背筋だけだと、前に押し出す力が足りません。

そこで、次に必要になる筋肉というのが、前側の筋肉です。
ここでは、主に大胸筋と腹直筋について考察してみます。

大胸筋はその名の通り胸についている筋肉となります。
腕を動かしてみると分かると思いますが、胸回りの筋肉が動いていると思います。
片手を胸に当てながら、ボールを投げる動作をしてみてください。
手を前に出したときに大きく競り上がってくることが分かります。

これは、この大胸筋が主にボールを投げる最後の押し出しに使われている筋肉だからです。
では、この筋肉を鍛えるためにはどのようにすれば良いでしょうか。

大胸筋を鍛えるため有効なのは腕立て伏せやベンチプレスなどの前に押し出す運動です。
しかし、自身の運動の特性に合った練習法をしてください。
例えば、砲丸投げ等の瞬発力が必要な競技の場合は重いが強い筋肉が必要となりますが、
野球や水球等、投げる以外の力も必要な場合は、重くなりすぎると動きが鈍くなり総合的に力が落ちてしまいます。

速い筋肉の動きを身につけるためにも、
速く動かすようなトレーニングをすることで速球が必要な筋肉を鍛えることになります。

そのためには、ベンチプレスや腕立て伏せに加えて、ラバーバンドによるトレーニングが有効となります。
ラバーバンドトレーニングは延伸する力をコントロールしながら鍛えるため、
速く動かすための筋肉を覚えさせることが出来ます。

投身を支える下半身の筋肉

また、実際に自身の競技によって異なるボールの大きさがあると思いますが、
競技によって投げ方も大きく異なります。

速く・強く投げるためには、投げるからだ、すなわち投身をしっかりと支える筋肉も必要となります。
ここでは、スクワットやランジトレーニングにより足腰と体幹を鍛えてください。

前の章でも説明していますが、自身の競技を考えてトレーニング方法を選ぶことをお勧めします。
例えば、重くて強い筋肉をつけてしまうと、走る力が重さによって落ちてしまうこともあります。

もし、自身の競技で走ることも必要なのであれば、投げる際にぶれない体を作るための体幹を鍛えてください。

このように投げるための力を鍛えるためにも体全体の筋肉を鍛える必要があります。
瞬発力との関係性は、常に筋肉を張って体を堅くするのではなく、
程よく力を抜きつつリリースのときに最大限の力を発揮させることが投力を高める秘訣となります。