持久力運動時に活躍するドリンクってどんなもの

持久力を高めるトレーニングや、競技、また長時間の練習を行う際には
脱水症状や熱中症を防ぐためにも給水が重要となります。

その中でも、マラソン競技やトライアスロンのトップの選手は各自いろいろと飲み物を工夫していると聞いたことがあります。

前にニュースでやっていたのですが、女子マラソンの福士加代子選手が、
マラソン選手権の時に給水ができなかった他国の選手に自身の飲み物を上げたことがあります。
普通に飲み物を渡すだけなのかなと思っていたのですが、実はその時に相手選手に飲み物の内容を説明していました。

後日、どのような話をしていたのかインタビューを見ていたところ、
福士選手は2種類の飲み物を給水所に置いており、
相手選手には両方の飲み物について説明をしていたそうです。

このように、長時間や持久力系の運動をする際には水分補給はもちろんのこと、
ほかにも様々な栄養素などを補う必要があります。

一昔前では練習中の給水は禁じられていた傾向にありましたが、
近年ではそれが大幅に見直されて、練習中の給水は脱水症状を防ぐためにも必要となってきています。

では、どのような飲み物が運動時、特に持久力運動の時に必要となるでしょうか?

一般的に飲まれる3種類の飲み物に含まれている成分(栄養素)と持久力の関係性について考察してみます。

スポーツドリンク

まずは一番使われるスポーツドリンクについて考察します。

スポーツドリンクの主な成分は発汗などにより失われるミネラルや糖分を補うように作られています。
スポーツドリンクの歴史は意外と浅く、日本では1980年ごろに大塚製薬が独自のスポーツ飲料として
ポカリスエットを発売しています。

ポカリスエットはこれまでの飲料物に比べて少し塩味があることや
甘味が強いこともあり、運動していない人には不評でしたが、
大塚製薬のマーケティングにより、スポーツをしている人や大量の汗をかくような炎天下での作業をしている人たちに
無料でサンプルを提供することで徐々に認知度を高めていきました。

主な成分は前述した通りミネラル、特にナトリウムやカリウム、クエン酸などの筋肉疲労回復につながる栄養素、
さらに糖分などのエネルギー源が含まれています。

そのため、簡単なエネルギー源としてはすごく有効ですが、
糖分が多く含まれていることもあり、人によってはシュガーハイのように
糖分の過剰摂取によるインシュリンの過剰分泌を促してしまいます。
スポーツドリンクを飲んだ後にパフォーマンスが落ちる、または落ち着かなくなるなどの症状が出るようでしたら、
少しスポーツ飲料を薄める等で糖分の摂取量を下げることも一つだと思います。

栄養学の世界ではこの症状をインスリンショックというようです。

アミノ酸入りのドリンク

次にアミノ酸入りのドリンクについて考察してみます。

一言でアミノ酸といってもわかりにくいかと思いますが、
アミノ酸はプロテインを分解したタンパク質の一種で、体にとってはエネルギーの元となります。
プロテインというと、運動前や運動後に筋肉を作るために飲むものだと思われがちですが、
実は持久系のトレーニング中には重要な要素を多く含んでいます。

持久系のトレーニングや運動をしていると、発汗と同時に水分やナトリウムなどのミネラルが失われていきますが、
それに加えて運動で消費されたタンパク質なども多く失われます。

運動後にプロテインシェイクを飲むことが推奨されている理由は、運動時に破壊された筋繊維などの修復を補助するためとなります。
では、運動中にのむアミノ酸入りのドリンクとはどのようなものがあるでしょうか?

運動中に、このアミノ酸、主にBCAA(アミノ酸の種類)が含まれているドリンクを摂取することで、
体内で疲労感を感じさせるセロトニンの発生を抑制するため、疲労感を防止することに役立ちます。

セロトニンの発生を抑制することで、疲れにくくさせることに繋がりパフォーマンスを向上させます。
また、このようなアミノ酸入りのドリンクには糖分やミネラルも合わせて含まれていることがあるため、
前述のスポーツドリンクと同様にエネルギー源としても活用されます。

実はただの水

最後に、ただの水が実はよいということも研究結果からわかっています。

とはいえ、通常の選手がただの水を摂取することだけだと、発汗時に失われたミネラルが不足することになり
逆にパフォーマンスが落ちることもあります。

しかし、スポーツドリンクの紹介をした際に説明させていただきましたが、
過度な糖分をとることでインシュリンの過剰分泌を促してしまうこともあり、
そうなると体が逆に疲れやすくなりパフォーマンス低下につながります。

実は、多くのマラソン選手が給水所で補給する飲み物は上記のスポーツドリンクやアミノ酸入りのドリンクなどの栄養分のあるものの他、
ただの水を合わせておいているそうです。

冒頭で紹介しました、福士加代子が給水できなかった選手に、自身のドリンクを渡している場面があったことをご紹介しましたが、
そこでは、水と栄養ドリンクの二つがあることを説明したとのことです。

このように、体調に合わせて運動時に飲むものを変えることができるのも
トップ選手ならではの方法なのだと感じました。

ただ、水だけを飲むと体のミネラルが不足することになり、結果熱中症や脱水症状を起こしますので、
自分の体と相談しながら何を飲むか考えてください。

また、運動中にのどが渇き始めたらすでに脱水症状だともいわれていますので、
こまめな水分補給を怠らないように気を付けてください。